2013年 08月 27日
平面スピーカーLeonardoを聴く
それがこのLeonardo。
この世界ではちょっと珍しくイタリア製のようです。そしてオールリボン型の平面スピーカーです。
なんと1台140kgもの超重量級だとか。ピアノブラックの筐体がとても美しい。
リボン型らしく、周波数特性は 20Hz から 100KHz と超ワイドレンジです。
駆動するのはこれまた新しく登場した真空管アンプ。
プレイヤーはoppoの105、プリアンプ件イコライザーとしてデックスHDP-4。
これで天井高6m、約40畳の大空間に音楽を奏でます。
コンサート開始前に1時間ほどかけて、色々聴かせて頂きましたが、このHappy Soundsで過去最高に魅力的な音でした。雄大で、でも適度なsolid感があり、スピード感も伴っています。音楽的な中低域の量感も申し分なく、高域も綺麗に伸びています。
写真は主催者提供、4月時点の物。
その後、調整するうちに徐々に間隔が伸びて、柱の外側まで設置位置が移動したそうです。
現在。
左右のスピーカー間の距離が相当離れていますが、やはりこの大空間を音で満たすには、これくらい離れていたほうが良いのでしょう。でもその分、オーディオ的にベストの視聴位置は案外狭く、センターを外れると左右の音量差のバランスが大きく崩れるのは致し方のない所。
また、超低域の再生能力をチェックすべく、「驚異のコントラバス・マリンバ」を再生すると、意外やスカスカ。しかし、この音域は過去に私が膨らみを指摘しそれをデックスで瞬時に補正したという経緯があり、今回もその影響があるようです。
とにかく、広いリビングで音楽を聴くには大いに魅力的なこのLoenard、現代ハイエンドらしくお値段をみると0の数がやたら多かった(笑)。真空管のアンプもしかり。しかし、なかなか心惹かれる平面スピーカーでありました。いやもう、この家ごと欲しい、これマジ(笑)。
もう30年も前のこととなってしまいました。
当時は私も20代半ばでセレッションSL600の鳴らし方に悩んでいて
マグネパンのスピーカーを聴いて、
スピカー変更を検討しているときでした。
そんな中、米国のオーディオ雑誌「the absolute sound」で
アポジーが紹介され、
80dB以下との能率に「ひぇ~」って思ったのもつかのま、
インピーダンスが“1Ω”とあるのに
しばらくは「目がテン」の状態。
「ウソだろ~」とつぶやきつつも記事を読むと
「多くのアンプは音を出せないだろう」とさりげなく書かれていて
このスピーカーの存在意味は?・・と思ったことが
ブログを読んで懐かしく思い出されました。
この Loenard というスピーカーは、オールリボン型ながらも
4Ωのインピーダンスを確保し
93dBもの高能率ですので、アンプの選択肢が広そうです。
リンク先情報から、この能率を支えているのは、
リボンを両側から磁石で挟み込む構造にあるようですから
重量の大部分は磁石なのだと思われます。
転勤族にはとうてい無理ですが、
面白そうなスピーカーですね。
アポジーなるオールリボンの平面型がかつて一世を風靡していたとは存じませんでした。また一つ勉強になりました。
なるほど、140kgの重さの理由は、磁石なのですね、納得です。
ちなみに、マグネパンはリボン型の進化形、という位置づけなのでしょうか?
マグネパンの創業は1969年。アポジーは1982年ですので、マグネパンの方が13年早く世に出てます。
マグネパンの初期の構造は、高分子フィルムに貼り巡らしたボイスコイルに信号電流を流して磁界を発生させ、フィルム全体を振動させるものですが、後年、ボイスコイルに替わりアルミ導体を使用したものが開発され(Quasi Ribbon)、現在の製品にも引き継がれています。
アポジーは、アルミリボン(ウーファーは高分子フィルムで補強)に直接電流を流すことによって磁界を発生させるものです。
まったく異なるスピーカーに見えますが、アポジーの発売当初から、「構造的にはまったく同じ」との声はありました。後年、マグネパンがアポジーに対し特許訴訟を起こしたと聞いています(私自身では未確認、結末も不明。当時、異国の訴訟情報を確認する方法はありません)。
個人的には、薄膜、アルミ導体、磁石の取り合わせは似てる部分もありますが、根本となる発想が異なってますので、どちらがより発展した形態であるかは論じることのできない二つのスピーカーだと思います。
Quasi(類似の)、というからてっきりマグネパンが後から出てきたものかと思ってました。アポジーとマグネパン、血の繋がらない兄弟みたいな関係とでも言ったらいいのでしょうか。
知れば知るほど、興味が深まりますね。